文京混声合唱団　第４回定期演奏会

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第４回定期演奏会

	昭和44年(1969)6月4日(水）Ｐ.Ｍ．7：00 日経ホール
	佐藤　眞　混声合唱のための組曲「旅」ロシア民謡フォーレ「レクイエム」
	指揮：辻　正行　ﾋﾟｱﾉorg：鈴木公江　ソプラノ石井喜美枝

　さらに信念と情熱を持って、深く内容のある演奏をすべく
真摯な態度で音楽に取り込んでゆく心算です。
ープログラムよりー

　STAGE Ⅰ 混声合唱のための組曲「旅」
　　　　　　　　　旅立つ日
　　　　　　　　　村の小径で
　　　　　　　　　旅のよろこび
　　　　　　　　　なぎさ歩めば
　　　　　　　　　かごにのって
　　　　　　　　　旅のあとに
　　　　　　　　　行こうふたたび

　STAGE Ⅱ　ロシア民謡
　　　　　　　　　収穫の歌
　　　　　　　　　ポーリュシカ・ポーレ
　　　　　　　　　母なるボルガを下りて
　　　　　　　　　鐘の音は単調に鳴る
　　　　　　　　　私をせめないで
　　　　　　　　　白いみざくら
　　　　　　　　　アムール河の波

　　　　　　　　　―休　　憩―

　STAGE Ⅲ　REQUIEM
　　　　　　　　　Introit et Kyrie
　　　　　　　　　Offertory
　　　　　　　　　Sanctus
　　　　　　　　　Pie Jesu
　　　　　　　　　Agnus Dei
　　　　　　　　　Libera Me
　　　　　　　　　In　Paradisum
　

田中清光　詩
山之井慎
佐藤　真　曲

Gabriel Faure 曲

曲・佐藤　眞　詞・田中清光　山之井慎
混声合唱のための組曲

　　　　　　　　「旅」　　　　　　　　

　この曲は昭和３６年、第１７回芸術祭合唱部門参加作品として作曲されたものです。
　全７曲から成る組曲。一曲一曲がテンポ、発想の上で変化に富み、しかも「旅」といおうテーマのもとに、自然な構成をとっている。
一つの物語のように生き生きとうたいあげてみたい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
①　旅立つ日
「ゆけ！旅に」と力強くはつらつとうたわれる。
それは「旅」への輝かしいファンファーレだ。

②　村の小径で
　昔ばなしのような日本的ムードを持っている。
しんみりとした中に、ふるさとのたき火の匂いを思い出させてくれます。

③　旅のよろこび　　　　　　　　　　　　　　　　
　スタッカートで明るく、朗らかに始まる。
「旅のよろこび」そして「青春のよろこび」であろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
④　なぎさ歩めば
　渚を歩みながら、ふと、ちょっぴり「旅」の感傷におそわれる。

⑤　かごにのって
「エーイッホ・エーイッホ」と快いリズムに刻まれながら、かごが山道を登っていきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
⑥旅のあとに
「旅」に疲れ、むなしい気持ちで帰路につこうとする………。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
⑦　行こうふたたび
　終曲。
　山あり河ありの旅は、「あまく、かなしく、はかなく、さびしい」ものであったが、また希望に燃えて、「行こうふたたび」と叫ぶのである。
　カノン風な始まりは、爽やかで美しい、曲想の盛り上がったところで、冒頭のモチーフにかえって終わる。

　　フォーレ　レクイエム（作品４８）　　

　ガブリエル・フォーレGabriel Faure（1845～1924）は、カトリックの伝統の強い南フランスの一都市に生まれた。幼少の頃より宗教学校にて教育を受けたため、信仰心は強く１８７７年には、ラ・マドゥレーヌ寺院の教会学長に招かれ、その生涯のかなり長い時期を学長、オルガニストとしての職務にささげた。
　彼は、音楽史上、近代フランス歌曲の先駆者として有名であるが、同時に、長い教会生活から生まれた珠玉の宗教作品は、彼の進化が十分にはっきされているのといえる。
カトリックの教会の厳しい規則や表現法などの制約を難なく、自己の中にとりいれ、その上に、近代的感覚と、叙情性の濃い、優雅清浄に満ちた、独自の宗教の世界を打ち立てたのである。

　レクイエム　Requiem　（作品４８）　

　Requiemとは、ラテン語で「安息」という意味で、カトリック教会における死者のための典礼、すなわち、死者の争議のために行われるミサを意味する。
葬儀のための典礼なので通常のミサとは若干の相違ががる。
　作曲の直接の動機は、彼の父の死にあるといわれている。
１８８７年に完成され、翌年、当時楽長職にあったラ・マドゥレーヌ寺院で初演された。
　内容的にその明るさ、静寂さ、平安さは、カトリック教会の死に対する考え方をよく表している。
楽曲構成においても、２声間の応答体、独唱と合唱との交唱体、独特のカノン法など、中生来のカトリック教会音楽の伝統が､みごとに生かされている。
　ベルリオーズ、ヴェルディのレクイエムに現れた激情や、ブラームスのレクイエムに見られる重々しさとは反対に優雅で清純で、柔らかで細やかな感情に満ち、控え目な、滋味の豊かな魅力をもっている。

第１章　Ｉｎｔｒｏｉｔ et Kyrie 入祭文及び求憐誦

　入祭文は死者の永遠の安息を神に嘆願する祈りであり、求憐誦はキリストに憐れみを求める祈りである。
　永遠の安息をゆける者に与え給え、主よ、永遠の光もて彼らを照らし給え、おお、主よ、シオンにての讃歌は汝にふさわしかりき、エルサレムにての誓願は汝のもとに達せられん、わが祈りをきき給え、よろずの人みな主に来るべし。
　主憐れみ給え、キリスト憐れみ給え。

第２章　Offertory　奉献文

　これは神に犠牲をささげ、死者を罪と地獄から免れしたまえと祈願である。
バリトン・ソロが入る。
　おお、主イエス・キリスト、栄光の主よ、みまかりし春の魂を地獄の苦しみ、底知れぬ渕、また獅子の口より救い給え、彼ら地獄と暗闇に落ちいらざらん事を。
　我等、汝に賛美と犠牲と祈りとを捧げまつる。
　おお、主よ、願わくは、今祈念する霊魂のためにこれを受け給え、彼等を死よりよみがえらせ、命に到るを得さしみ給え、そは主のかってアブラハムとその子等にとこしえに約し給いし所なればなりアーメン。

第３章　Sanctus　三聖頌

　聖なる、聖なる、聖なるかな、万軍の主なる神よ、天と地汝の栄光に満つ、いと高き所にホザナ。

第４章　Pie Jesu　主イエスよ

　再びイエスに死者の安息を救願する。ソプラノ・ソロで歌われる。
　聖なるイエスよ、彼にとこしえの安息を与え給え。

第５章　Agnus Dei　神羔誦

　神の羔たるキリストにささげる祈りである。
世の罪をのぞく神の羔よ、彼らに永遠の安息を与え給え、主よ彼らを永遠の光もて汝の聖者と共に照らし給え。

第６章　Libera me　赦祷文
　死者の罪がゆるされるために捧げられる祈願である。バリトン・ソロが入る。
　主よ、おそるべき日に永劫の死から我を解き放ち給え、天と地、汝によりて震り動かれる時、汝火もてさばき給う時、来らんとする怒りに我おののきおそれる。怒りと災いの日、悲惨と苦難のおそるべき最後の審判の日よ。

第７章　In Paradisum　天国にて　
　これは、柩が墓地にはこばれる途中歌われる聖歌ですが、大ていの作曲家のレクイエムには除かれている。
たぶんフォーレは最愛の父の死に最後の安息の祈りを求めたものであろうか、これは救済を暗示するようなニ長調をもって対している。
　天使等は汝を天国にいざない、殉教者等汝をむかえいれ、聖き都エルサレムに導かん。
天使等の合唱はきこえ、かの貧しかりしラザロと共に、汝永遠の安息を得ん。

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佐藤 眞 混声合唱のための組曲「旅」 ロシア民謡 フォーレ「レクイエム」

フォーレ レクイエム（作品４８）

レクイエム Requiem （作品４８）

佐藤　眞　混声合唱のための組曲「旅」
ロシア民謡
フォーレ「レクイエム」

　　フォーレ　レクイエム（作品４８）　　

　レクイエム　Requiem　（作品４８）　