文京混声合唱団　弟５回定期演奏会

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第５回定期演奏会

	昭和４５年（1970）4月22日Ｐ.Ｍ.7:00 共立講堂東混ジュニアコーラスと合同演奏会
	シュトラウス作品集　團伊玖磨　「岬の墓」　オペラ合唱曲
	指揮：辻　正行・田中信昭　ピアノ：渡辺玲子

　アマチュアだという甘えに乗っかるようなことはあってはいけないのは当然のことです。
もっと真摯で前向きな姿勢で合唱音楽に取り組まねばなりません。
今日の演奏を機にさらに一歩前進するべく努力するつもりです。
　　　　　　　　　　　　　　　　ープログラムよりー

STAGE Ⅰ シュトラウス作品集
美しき碧きドナウ	ヨハン・シュトラウス　　曲　　　小松平五郎　　編曲　　　堀内敬三　　　　　詩
ピーチカート・ポルカ	ヨーゼフ・シュトラウス　曲　　　石丸　寛　　　　編曲
皇帝円舞曲	ヨハン・シュトラウス　　曲　　　斉藤秀雄　　　　編曲　　　山本直忠　　　　　詩
―休　　憩―
STAGE Ⅲ　岬の墓　　　　　　　　　　　　團伊玖磨　　曲　　　堀田善衛　　詩
STAGE Ⅴ　オペラ合唱曲集　　　　　　　　　合同
開幕の合唱ーオレンジは薫りー　　　　　　　　　”カヴァレリア　ルスティカーナ”から	マスカーニ　　　作曲
－闘牛士の合唱－”椿姫”から	ヴェルディ　　　作曲
－栄よ歌の殿堂－　　　　　　　　　　　”タンホイザー”から	ワグナー　　　　　曲

　　シュトラウス作品集　　

　ヨハン・シュトラウスと言えばすぐワルツを思い出します。
シュトラウスは父子２代の偉大なワルツ作曲者であり、父のヨハン･シュトラウスは１５２曲のワルツを作り”ワルツの父”といわれ、息子のヨハンシュトラウスは父にもまさる多くのワルツを作り”ワルツ王”と呼ばれております。
また次男のヨーゼフ・シュトラウスもワルツの作曲家として名を成しています。
　　”ワルツ王”のシュトラウスは１８２５年ウィーンに生まれ１８９９年同地で歿。
父ヨハンは３人の息子を実業家にしようとしましたが、母親が彼の楽才を認め、作曲とヴァイオリンの手ほどきをし、そして１９才にしてオーケストラの識者としてデビュー、名声はたちまち上がり一躍ウィーンの丁子となりました。父の死後は自分の楽団を作り各国を演奏旅行し、ヨーロッパ中にワルツ作曲家としてその名を高め、そして５００曲以上ものワルツを作りました。

　ワルツの前身は、レントラーと言う４分の３拍子の舞曲で１７世紀頃オーストリア東部の踊りの曲で、これを今日のウィーン風円舞曲に作り上げたのはランナーと父ヨハン・シュトラウスです。

美しき碧きドナウ

原曲はオーケストラ伴奏の男声合唱でしたが初演の時は不評であったといわれております。いろいろなロマンスに富む中欧の山野を幾百里、洋々と流れるドナウの美しい流れこそ、全ヨーロッパ人あこがれの風光であり、そしてこの曲こそワルツを代表する名曲といえそうです。

ピチカート・ポルカ

ポルカは1830年頃、ボヘミア（今のチェコスロバキア）で生まれた急速な２拍子のダンス音楽です。原曲はもちろんオーケストラの曲ですが、この”ピチカート”というのは弦を指で弾いて音を出す弦楽器のピチカート奏法をいっているもので、合唱の編曲ではｔｕｍ，ｔｕｍ，で弦を弾く様を表現しております。

皇帝円舞曲

　この曲はヨハン・シュトラウスの代表作のひとつです。
1888年オーストリアのフランツ・ヨーゼフ一世の皇帝即位４０年祭の記念祝典舞踏会のために作曲されたもので、”皇帝”の名にふさわしい荘重で豪華な気分に満ちた作品です。

團伊玖磨　曲　　堀田善衛　詩

　　岬の墓　　

昭和３８年の題１８回芸術祭合唱部門で芸術祭文部大臣賞を受けた作品。
一曲で１５分を越える合唱曲は珍しい。
色彩豊富な音楽的構成。第一主題、第二主題を持ち、対位法的、転調やカノン風な手法を用いて交響詩的にとりあつかったもので、日本の合唱曲に余りない傾向の作品です。

　白い墓の下に仄暗く存在する過去、青くひろがる海ー現在に漂う舟で象徴される我々自身、自己、そして、水平線の彼方に光る未来。
人間の心の中にバランスを構成するこの四つの支店を骨格として、人生の姿を、永遠に解き難い人生の謎を、絶対の真理ー赤い花ーに問いかけるこの詩は、制約された簡素な表現と、その深い内容によって、我々を厳しい内省と思案の世界に誘わずにいない。（團伊玖磨）

　　オペラ合唱曲集１　　

オレンジは薫り　カヴァレリア・ルスティカーナ

　この有名なイタリアの歌劇はマスカーニ（1945年81才で没）が２６才の時に作曲し、そしてこの歌劇で一躍世界的に有名になりました。このオペラの題名はー田舎騎士道ーという意味で、イタリアの田舎で男同士の意気地から、復活祭の日に果し合いに及ぶと言う悲劇の物語です。
　この開幕の合唱は、すがすがしい春の日の朝、村人が村の広場に集り復活祭の楽しさを歌います。

闘牛士の合唱　椿　姫より
　この物語の原作はデュマの書いたものです。イタリアの作曲家ヴェルディが1853年に僅か４週間で作曲したイタリアオペラの代表作。原題はー道に迷わされた女ーの意味。主人公ヴィオレッタの放縦な生活、そして病に倒れ、愛人の見守る中で静かに息をひきとるという、華やかで淋しい物語です。
　このー闘牛士の合唱ーは仮想舞踏会に集った男達が闘牛士の仮装をして恋と闘牛の自慢話を列席の女達に聴かせるという、軽快な踊りを伴った男性３部が主体の合唱曲です。

栄よ歌の殿堂　タンホイザーより

１８１３年ドイツに生まれたワーグナーによる典型的なドイツオペラでワーグナー３２歳の時に初演。
　このオペラはドイツ中世紀の伝説による物語で、タンホイザーという騎士が誘惑に負けて享楽にふけり、堕落の淵に沈んでいこうとするのをその愛人、エリザベートという清らかな乙女が身を捨ててタンホイザーの罪をあがない、その魂を救うという筋書きです。
　この合唱曲は第二幕の城の中の大広間で恒例の歌くらべが開かれる日、そこに多くの騎士や貴婦人が盛装し、威儀を正して入場。その堂々たる行進を表す大行進曲に続いてー栄よ歌の殿堂をーと騎士、貴婦人達が交互に唱い、これから開かれようとする歌くらべの大会をいやがうえにも盛り上げようとしています。

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シュトラウス作品集 團伊玖磨 「岬の墓」 オペラ合唱曲

岬の墓

　シュトラウス作品集
　團伊玖磨　「岬の墓」
　オペラ合唱曲

　　岬の墓　　