文京混声合唱団第13回定期演奏会

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第13回定期演奏会

	昭和52年（1978）6月24日（土）　Ｐ．Ｍ．７：00 石橋メモリアルホール
	ヴィクトリア　　「Missa O Quam Gloriosum est　regnum」　シュトラウス作品集　佐藤眞「カンタータ大地讃頌」
	指揮：青木八郎・鈴木哲雄　ピアノ：渡辺佳津子

　私たちは常により高いもの、より完成されたものを目指してきましたが、「声」という手段の難しさ、奥の深さをますます痛感してまいりました。価値観が多種多様化している中で合唱も決してその例外ではありませんが、一たび歌い出したときの充実感は価値観の違いを超えて味わえる幸せだと思います。
今回のステージにつきましても、音楽の源ともいえる「ミサ曲」の節度あるハーモニー、宗教的な高揚。音そのものが舞い踊るような流麗な「ワルツ」スケールの大きな自然と人間を謳いあげた「大地の歌」、どれも均しく味わえるものであり、こうしたすぐれた音楽を私たちに与えられた「声」で表現できるという機会を今後も大切にしていきたいと思います。
　　ープログラムよりー

STAGE　Ⅰ　MISSA　O　QUAM　GLORIOSUM　EST　REGNUM 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　T．L．Victoria　作曲　　　　　　　　　　Ｋｒｙｉｅ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｇｌｏｒｉａ　　　　　　　　　　　　　　　　　　指　揮　鈴木哲雄　　　　　　　　　　Ｃｒｅｄｏ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｓａｎｃｔｕｓ　　　　　　　　　　Ｂｅｎｅｄｉｃｔｕｓ　　　　　　　　　　Ａｇｎｕｓ　Ｄｅｉ
STAGE　Ⅱ　シュトラウス作品集　　　　　　　　　Ｔｒｉｔｓｃｈ－Ｔｒａｔｃｈ（おしゃべり）POLKA 　　　　　　　　　　　　　　　ヨハン・シュトラウス　作曲　田中信昭　編曲　門えりお　作詞　　　　　　　　　皇帝円舞曲　　　　　　　　　　　　　　　ヨハン・シュトラウス　作曲　斉藤秀雄　編曲　山本直忠　作詞　　　　　　　　　Ｐｉｚｚｉｃａｔｏ POLKA　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヨハン及びヨゼフ・シュトラウス　作曲　石丸　寛　編曲　　　　　　　　　美しき碧きドナウ　　　　　　　　　　　　　　　ヨハン・シュトラウス　作曲　小松平五郎　編曲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　指　揮　鈴木哲雄　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピアノ　渡辺佳津子
STAGE　Ⅲ　カンタータ「大地讃頌」　O de to the Earth(土の歌) 　　　　　　　　　　（第22回芸術祭讃歌作品）　　　　　　　　　　　農夫と月　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佐藤　真　作曲　　　　　　　　　　祖国の土　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大木惇夫　作詞　　　　　　　　　　死の灰　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もぐらもち　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　指　揮　青木八郎　　　　　　　　　　天地の怒り　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピアノ　渡辺佳津子　　　　　　　　　　地上の祈り　　　　　　　　　　大地讃頌

　MISSA　O　QUAM　GLORIOSUM　EST　REGNUM　

　トルス・ルイス・デ・ビクトリア（1548頃～1611）　スペインのアビラに生まれ、一生を教会で過ごし巨魁音楽のみ作り続けた人です。その音楽はイタリアで学んだルネッサンス・ポリフォニー書法がが中心になっていますが、それにスペイン特有の神秘主義的表現が加わり、同時代のグレコの絵画にも共通する宗教的情熱にみちた感動的なものとなっています。リズムの柔軟さ、旋律の美しさは私達日本人の心情に訴えかけてくるものがなくありません。

　カンタータ「大地讃頌」　　

　佐藤真（1938～）戦後、組曲「魔王」・「旅」により一躍合唱界の新しい旗手となった彼はその後、多くの合唱曲を発表しています。オケ伴による邦人の合唱曲は非常に少なく、佐藤真の2番目のカンタータである「大地讃頌」が元来４管編成による大規模なオーケストラを伴った合唱曲で、（東混・Ｎ響・岩城宏之のビクター盤）、以後一部に手を加えピアノ伴奏付きの混声合唱として現在に至っております。この作品に関して作曲者は次のような感想を述べています。
――――この作品は、いまから5年前1962年日本ビクター社の依頼で作曲したもので、私が東京芸術大専攻科に在学中のことであった。その前年、私はある民間放送局の依頼で「蔵王」という混声合唱とピアノのための作品を書いたが、そのようなものを、さらに大規模な様式で作り上げることが依頼者のねらいであり、私もそれに応えるべく、いろいろな作品を提供していた。私もその創作活動の一部をそのために費やすということは意義のあることと考えたのであった。
そしてこのような情勢と与えられた詩に対する判断から作曲に当たって、全体的に明確な調性を用いることにした。またあくまで合唱が主役となるよう努めたつもりである。（1967年9月）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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